「LJL 2020 Summer Split 」V3 Esports悲願の初優勝!9/25より中国・上海で開催される「Worlds 2020」へ出場決定

2020年9月6日(日)、人気MOBAゲーム「League of Legends」の日本公式リーグ・LJL決勝戦「LJL 2020 Summer Split Finals – Virtual Stage」が開催され、V3 Esports(以下、V3)がDetonatioN FocusMe(以下、DFM)をゲームスコア3-2で破り、LJL優勝を果たしました。これでV3はLJL初優勝、LJL昇格組としても初となる優勝を飾りました。一方、敗れたDFMの連覇は4でストップ、優勝を逃すのは2年ぶりとなります。

決勝戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインでの開催となったものの、Twitchなど配信サイトの合計視聴者数は5万人を超えるなど、あらためてLJLへの高い関心がうかがえる結果となりました。

League of Legends(LoL)とは

League of Legends(LoL)とは

2009 年10 月のサービスを開始以来、世界中で人気を集めているオンラインゲーム。2016 年9 月時点で月間アクティブプレイヤーが1億人を突破しています。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(通称MOBA)と呼ばれる5人対5人の対戦型PC ゲームで、プレイヤーが操作する「チャンピオン」と呼ばれるキャラクターで相手本陣の攻略を競い合います。

esportsの代名詞と称されるゲームで、世界各地でプロリーグが開催されています。毎年行われるEsportsの世界的祭典「League of Legends WorldChampionship(WCS)」では視聴者数9,960 万人を記録。多彩なキャラクターや映像、音楽などの評価も高く、コスプレやファンアートといったコミュニティ活動も数多くで行われています。

LJL(日本リーグ)

「League of Legends Japan League(LJL)」は、PC オンラインゲーム「League of Legends」の日本公式プロリーグです。

LJL 2020 Spring Splitは、全8チームによるレギュラーシーズンを2020年6月13日(土)~8月5日(水)に開催。対戦形式は「Bo1」(Best of 1・1試合を先取したチームの勝利)、「ダブルラウンドロビン」(全チームによる総当たりを2回実施)です。

その後、実施されるレギュラーシーズン上位6チームによるPlayoffsによって優勝したチームは、LoL世界大会(Worlds 2020)に日本代表として出場することができます。

Worlds(世界大会)

LJL 2020 Spring SplitとSummer Split、それぞれの優勝チームはLoL 世界大会「Mid-Season Invitational(MSI)」と「World Championship(WCS) 」に日本代表チームとして参加することができます。

決勝戦「LJL 2020 Summer Split Finals」出場チーム紹介

V3 Esports(V3)

V3 Esports(V3)

レギュラーシーズンを12勝2敗と圧倒的な成績で首位通過、プレイオフではSGをゲームスコアで3-1で破り、2度目の決勝進出を果たしたV3 Esports。17年の創設以来、18年にはLJL1部昇格、19年に初のLJL決勝進出を決めるなど、順調にチーム力を高めてきました。

20年春には、台湾強豪のFlash WolvesからBugi選手が加入、SGからサポートのRaina選手を獲得するなど、積極的な補強を敢行。十分な戦力と高い連携力で、悲願のLJL初優勝、初のWorlds出場を狙います。

DetonatioN FocusMe(DFM)

DetonatioN FocusMe(DFM)

18年夏シーズン以降、LJL4連覇中の強豪・DetonatioN FocusMe。世界大会である「Worlds 2018」では、LJLチームとして初となるプレイインノックアウトステージへ進出、「MSI 2019」ではLJLチームの最高記録となる4勝2敗という戦績を残すなど、LJLのトップチームとしての地位を確立しています。

LJLで唯一、選手補強を行わずに臨んだ今季は、開幕から不振に陥り、一時は5位に転落するなど厳しいシーズンとなりました。順位低迷を受け、シーズン途中にコーチ陣の変更が行われ、ヘッドコーチにはかずーたコーチが復帰。復帰以降は本来の強さを取り戻し、プレイオフではBC・CGA・SGをそれぞれ撃破、決勝進出を果たしました。勢いそのままに、5連覇・8度目のLJL優勝を狙います。

「ALIENWARE BEST PLAY AWARD」はAXIZ Day1選手に

LJL決勝の開催に先立ち、レギュラーシーズンで優れたプレイを見せた選手に贈られる「ALIENWARE BEST PLAY AWARD」の授賞発表が行われ、5選手が選出されました。1位に輝いたのはAXIZ Day1選手。アッシュを巧みに使用し、AXIZ今季初勝利を掴み取ったプレイが、Twitter上で多くの投票を集めました。

AXIZ Day1選手

その他の結果は以下の通り。

「ALIENWARE BEST PLAY AWARD」
・1位 Day1選手(AXIZ・ADC アッシュ)
・2位 Yutapon選手(DFM・ADC エズリアル)
・3位 Raina選手(V3・SUP セト)
・4位 Ace選手(V3・MID ゾーイ)
・5位 apaMEN選手(SG・TOP エイトロックス)

決勝戦 試合レポート

6チームによるプレイオフを勝ち抜き、決勝に駒を進めたのはV3とDFMの2チーム。レギュラーシーズンでの直接対決では、V3が2戦2勝と力の差を見せた一方、DFMはプレイオフで上位2チーム(SG・CGA)を破るなど勢いに乗って、決勝に進出しました。V3 Esportsがチーム史上初のLJL優勝を果たすのか、DetonatioN FocusMeがLJL史上初の5連覇を成し遂げるのか、このビッグマッチにファンからは高い注目が集まりました。

視聴者による勝利予想

※視聴者による勝利予想では、過去の実績からDFMが高い評価を受ける。

レギュラーシーズンのチームスタッツ一覧

※レギュラーシーズンのチームスタッツ一覧。どちらもLJL屈指の好成績を残す

両者一歩も譲らず、5戦目までもつれ込む大熱戦に

Game1は、V3が高い戦術力を見せつける展開となります。V3 Paz選手のサイオン、Bugi選手のリリアによる連携でタワープレートを次々に獲得。サイオンが鉄壁のフロントラインとして機能することで、DFM Yutapon選手の動きを完全に封じ込めることに成功しました。序盤こそDFMがキル有利を握っていたものの、V3が集団戦からじわじわと有利を広げ、重要なBO5・1戦目に勝利しました。

この敗戦を受け、DFMはGame2ではサイオンをBAN。Gaeng選手の得意ピック・レオナを抑えて、2戦目に臨みます。試合序盤から、DFM Steal選手がTop中心のゲームメイクを敢行、シェンを使うEvi選手の影響力を高めることで、ドラゴン・ヘラルドなどのオブジェクトの獲得に繋がります。V3はArcher選手にファームを集め対抗したものの、24分にはDFMがそれまで築いた有利を生かし、4-0と集団戦に完勝。ドラゴンソウル・バロンを獲得し、試合に決着を付けました。

※試合序盤、Topレーンに3人でダイブを仕掛けるV3。

※試合序盤、Topレーンに3人でダイブを仕掛けるV3。

Game3:DFM Ceros選手のニーコが光る

両者1-1で迎えたGame3、DFMはEvi選手のシェン・Steal選手のニダリー・Ceros選手のニーコと3戦連続となる構成を選択。一方のV3はPaz選手にガンクプランク・Ace選手にオリアナと、これまでに使うことの無かったチャンピオンをピックします。

【Game3 B/P】

【Game3 B/P】

序盤から静かなゲーム展開となりましたが、15分、V3 Bugi選手がタワーダイブを行うDFMの3選手に、リリアのRスキル「夢見の子守唄」をヒット。個人技の高さを見せ、DFMからカウンターで2キルを奪います。これでドラゴン有利はDFM、ゴールド有利はV3と膠着した試合展開に。

※Topダイブを行うDFMに対して、Bugi選手がアウトプレイ

※Topダイブを行うDFMに対して、Bugi選手がアウトプレイ

キルスコア5-4とV3有利で迎えた21分、Archer選手のアローからV3が一気に攻撃を仕掛けます。そのV3の仕掛けに対して、DFMは冷静に対応し、Ceros選手のニーコがR「ポップブロッサム」を3人にヒットさせると、V3の陣形は崩壊。一気に4キル&バロンの獲得に成功します。28分の集団戦でもCeros選手の勢いは止まらず、ポップブロッサムでV3を分断、E「からまれ!」で敵にCCを与える完璧なパフォーマンスで集団戦に勝利します。8000ゴールド以上の大差をつけたDFMがこのままネクサスを破壊、LJL優勝に王手をかけました。

【Game3 VoD】


Game4:V3がイーブンに持ち込む大勝利!勝負は第5戦へ

V3にとって絶対に負けられないGame4、一時はDFMに4k差を付けられる苦しい展開となりましたが、試合時間19分、DFMの一瞬の隙を突いて4キルを奪取。ゴールド差をイーブンに戻すと、落ち着いたゲーム運びでじわじわと有利を広げ、大逆転勝利を果たします。これでゲームスコアは2-2、LJL優勝を賭けた5戦目に突入しました。

Game5:隠し続けた奇策、V3が悲願のLJL初優勝

優勝を賭けたGame5、V3 Eportsはこれまで隠し続けていた奇策に転じます。TopのPaz選手がサイオン・ADCのArcher選手がアフェリオスをピックすると、試合開始から互いの持ち場を入れ替える「レーンスワップ」戦術を選択。V3が今シーズン「レーンスワップ」を行ったのは僅か1回と、この重要な試合で敵の意表を突くことに成功します。DFMはGaeng選手をTopに送り込むことで何とか対応しますが、Topレーナー間のレベル差が開き続ける苦しい展開に。

Game5:隠し続けた奇策、V3が悲願のLJL初優勝

※開始5分時点の経験値状況。Topレーンでレベル半分ほどの経験値差が生じる。

【Game5 B/P】

【Game5 B/P】

先手を取ったV3が、ゲーム時間と共にスノーボールを続け、ゲーム時間15分には3000ゴールド差とDFMを突き放します。19分にインヒビタータワー破壊、25分にバロン獲得に成功して迎えた29分、Raina選手のエンゲージがYutapon選手にヒット、3キルを獲得したV3がそのままネクサスを破壊。悲願の初優勝、2部出身チームとしても史上初のLJL優勝を成し遂げました。

史上初のLJL優勝を成し遂げました

【Game5 VoD】


戦いの場は世界に

「LJL 2020 Summer Split」を制したV3 Esportsは、9月25日より「Worlds 2020」プレイインステージに日本代表として参加、1勝4敗の最下位に終わり、悲願のグループステージ進出を惜しくも逃しました。

なお、「Worlds 2020」グループステージは10月3日から開幕し、世界屈指の強豪チームによる熱い戦いが繰り広げられています。一体どの地域が世界の頂点に立つのか、楽しみでなりません!

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