角川ドワンゴ学園N高「KDG N1」が優勝!高校生esports大会「STAGE:0 2020」League of Legends部門 大会レポート

高校生による学校対抗のeスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2020(STAGE:0 2020)」の決勝大会が9月19日から9月22日にかけて開催されました。21日には人気MOBAゲーム「League of Legends(LoL)」部門の決勝戦が行われ、沖縄県の角川ドワンゴ学園N高等学校「KDG N1」が初となる大会2連覇を果たしました。

予選大会には、全国から1,779校、総勢5,555名が参加。その激戦を勝ち上がった各校が決勝大会で熱い対戦を繰り広げました。なお、「STAGE:0」決勝大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全試合オンラインにて開催されています。

決勝戦は因縁の対決に

8チームによる決勝トーナメントを勝ち抜いたのは、昨年の優勝校・角川ドワンゴ学園N高「KDG N1」とクラーク国際高「Yuki飯食べ隊」の両チーム。両校は昨年開催の「全国高校eスポーツ選手権」決勝でも対戦しており、N高がクラーク国際を破り、優勝を果たしています。

まさに因縁の対決となった今回のカード、クラーク国際が雪辱を果たすのか、それともN高が大会2連覇を果たすのか、多くの注目が集まりました。

決勝大会進出高校

北海道ブロック:札幌新陽高等学校(北海道)「e-Sports研究部」
東北ブロック:東北学院榴ケ岡高等学校(宮城県)「PCGs」
関東ブロック:クラーク記念国際高等学校(東京都)「Yuki飯食べ隊」
関東ブロック:東京都立国際高等学校(東京都)「Team Alt+F4」
中部ブロック:岐阜県立岐阜商業高等学校(岐阜県)「県岐商eスポーツ部」
関西ブロック:ルネサンス大阪高等学校(大阪府)「LateDogs」
中国・四国ブロック:岡山県共生高等学校(岡山県)「eスポーツ部A」
九州・沖縄ブロック:角川ドワンゴ学園N高等学校(沖縄県)「KDG N1」

決勝大会進出高校

決勝戦は、BO3形式(先に2勝すると勝利)で行われ、プロ大会と同様のドラフト形式「トーナメントドラフト」を採用しています。

「STAGE:0」決勝戦 試合レポート

第1試合

【B/P】
N高は、1stBANフェーズでJGチャンピオンを3体BAN、JG内での1v1に強みを持つオラフをピックし、クラーク国際の中心プレイヤー・Funahwi選手の動きを制限する戦術を取ります。

一方のクラーク側はTopサイドを中心に、序盤から少数戦を行いやすい構成を選択。セナをピックし、レイトゲームを見据えたN高と早期決着を狙うクラーク国際、両校の思惑が交錯したバンピックとなりました。

第1試合

【試合内容】

試合は、B/P通りにTopサイドから有利を握りたいクラーク国際が、序盤から果敢に仕掛け続ける展開に。エコーを使用するFunahwi選手は、試合開始早々にTopレーンにガンクを敢行、その後もMidへのガンクを行います。しかし、N高側もこれに冷静に対応、試合時間6分、Funahwi選手のMidガンクを予想したN高は、サポートのShakeSpeare選手を寄せ、返り討ちに成功します。試合序盤から、互いに戦術を読み合うハイレベルな試合展開となりました。

【試合内容】画像③

その後もN高は立て続けにドラゴンを獲得、徐々に有利を広げます。試合時間25分には、Ponkotu選手のTPによって生じたクラーク国際のわずかな連携の隙を突いて集団戦に勝利、バロン獲得に成功します。クラーク国際も粘りを見せたものの、レイトゲームを見据えた構成を選択したN高が有利を拡大。最終的には6,000ゴールド差を付け、ネクサスを破壊し勝利しました。

第2試合

【B/P】
N高側はJGチャンピオンを3体BAN、クラーク側はPrimo選手を警戒したハイマーディンガーBANと、第1試合と同様、相手選手へのメタバンが続きます。絶対に負けられないクラーク国際は、1戦目大暴れのrre選手のアカリに対してジリアンをピック。Rスキル「クロノシフト」による復活での対応を狙ったピックとなりました。

この試合では、両者ともにパワースパイクの遅いレイトゲーム構成を選択。クラーク側はラカン・リリアによるエンゲージが成功するかどうかがカギの構成となりました。

第2試合

【試合内容】

試合序盤から、N高・ACCIDENT選手がゲームをコントロールし続けます。6分にBotガンクに成功、1キルを獲得すると、9分にはTopレーンへのダイブを敢行。執拗なガンクでN高側が大きなレーニング有利を築きます。レーン戦から主導権を握ったN高はその後もドラゴン・タワーと次々にオブジェクトを獲得、20分で10,000ゴールドの大差を付けました。

【試合内容】

その後もN高の勢いは止まらず、27分、キルスコア22-5の圧勝でネクサスを破壊し、勝利しました。この勝利により、九州・沖縄ブロック代表の角川ドワンゴ学園N高等学校「KDG N1」が史上初となる大会2連覇、昨冬開催の「全国高校eスポーツ選手権」優勝とあわせ、高校2冠に輝きました。

試合アーカイブ

優勝校 角川ドワンゴ学園N高等学校「KDG N1」インタビュー

今回見事優勝を果たした、角川ドワンゴ学園N高等学校「KDG N1」にインタビューさせていただきました。
優勝校 角川ドワンゴ学園N高等学校「KDG N1」インタビュー

――まずは優勝した率直な気持ちを教えて下さい。

ぷりも選手(リーダー):今回チームリーダーとして大会に初めて出たので、安心した、ホッとしたっていう気持ちが一番です。

Vann選手:今回3連覇がかかったので本当に一安心ですね。

rre選手:高校生大会初めての出場だったんですけど、MVPも取ることができ、活躍することができたので本当に嬉しいです。

Shake Speare選手:前回と前々回と優勝をしていて、今回も絶対優勝したいと練習を積んできたので、その努力が実って嬉しかったです。でも今回MVPを取ることができなかったので、そこが本当に悔しいです!

ACCIDENT選手:僕も今年からチームに入って、本当に下手だった僕をチームの皆やコーチの方々が育ててくれたので、まずはありがとうと言いたいです。

Violet選手:リザーブではあったんですけど、優勝して本当に嬉しいです。

――Stage:0に参加してみていかがでしたか。

ぷりも選手:今回2回目の出場で、前の大会は初めての出場だったので、そこまでプレッシャーはなかったんですけど、今回2回目かつ連覇がかかる中でのチームリーダーだったので、かなりプレッシャーはありましたね。ただ、いい経験になりました。

Vann選手:今の気持ちでいうとリーダーに感謝ですね。本当に支えてもらいました。

rre選手:初めての出場だったんですけど、多くの出場校がいて、たくさんの方に観ていただいた中で優勝することができて本当に嬉しかったです。

Shake Speare選手:自分が高校生大会を知ったきっかけが「Stage:0」で、今回やっと出場することができ、そんな大会で優勝することができたのでよかったです。

ACCIDENT選手:まずたくさんの人に観てもらうことができて本当に嬉しいです。教えてくれた方や友達に観てもらうことができたこと、チームとして勝つことができたという実績を「Stage:0」で積むことができて本当に嬉しいです。

Violet選手:こういう機会がないとチームメンバーと関わることができなかったので、「Stage:0」という大会は本当にいい機会だなと思いました。

–チームとして、大会に臨む上で、一番意識してきたことはなんでしょうか。

ぷりも選手:新しい選手が入ってきて、結構自分が自分がと我が強い選手が多くて、最初のことは全くチームがまとまっていなかったので、チームをまとめるようには努力はしましたね。
まとまりがないっていうところで、結構遅刻だったりも多くなってきていたので、そこをちゃんと叱るっていうところは徹底していましたね。練習というよりは、チームを固めていくっていうところを重点的に行なってきました。

–みなさんの将来の展望を教えてください。

ぷりも選手:ちょっと前まではプロになりたいって気持ちもあったんですけど、今はなくて、これまでいろいろな方に支えられてきたので、これからは自立していけたらなって思ってます。LoLは続けはするんですけど、今後プレイする頻度は少し減るのかなって思ってます。

ACCIDENT選手:僕は来年の「Stage:0」であったり、他の大会に向けて、力を注いでいきたいと思っています。その後も考えてはいるんですが、まずは来年の優勝に向けて頑張っていきたいと思います。

Shake Speare選手:高校生の間にある大会は全て優勝することを目指しています。卒業してからは、今「Rascal Jester」というプロゲーミングチームで活動させていただいているので、そこでの活動がうまく頑張っていけたらと思っています。その後は、自分で大会を開いたり、大会の実況・解説になれたらと考えています。

Vann選手:プロ選手になりたいと考えているので、プロチームに声かけていただけるようにランクマッチなどを頑張っていきたいと思います。

rre選手:来年の「Stage:0」に向けて優勝を狙って頑張っていきたいと思っています。また将来はLoLでプロ選手になりたいと思っているので、練習を頑張っていきたいと思います。

Violet選手:今回はリザーブだったので、大会に出れるようにLoLをもっと練習していきたいと思います。

視聴者数は700万人越え!第3回大会の開催も決定

4日間にわたる決勝大会の模様は、「YouTube」「Twitch」「Twitter」を通じて配信され、総視聴者数は昨年大会の136万人を大きく上回る、747万人に達しました。また、2021年に第3回大会「STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2021」が開催されることが発表されました。

大きな盛り上がりを見せる「高校eスポーツ」。高校生ゲーマーたちの熱い戦いに今後も注目しましょう!

公式サイトhttps://stage0.jp/

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