LJL 2020 Spring Split大会総評まとめ チームや選手の情報から試合のポイントまで解説

2020年5月4日(月・祝)、人気MOBAゲーム・LOL日本公式リーグ「LJL 2020 Spring Split」決勝戦が開催され、レギュラーシーズン1位・DetonatioN FocusMe(以下、DFM)が同2位・Sengoku Gaming(以下、SG)をゲームスコア3-1で破り、優勝を果たしました。これでDFMは、2018年夏季シーズンから4季連続のLJL制覇となりました。

決勝戦は新型コロナウイルスの影響により、オンラインで実施となったものの、Twitchなどの配信サイトの合計視聴者数は6万人を超えるなど、オフライン開催と遜色ない大きな盛り上がりを見せました。

League of Legends(LoL)とは

League of Legends(LoL)とは

2009 年10 月のサービスを開始以来、世界中で人気を集めているオンラインゲーム。2016 年9 月時点で月間アクティブプレイヤーが1億人を突破しています。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(通称MOBA)と呼ばれる5人対5人の対戦型PC ゲームで、プレイヤーが操作する「チャンピオン」と呼ばれるキャラクターで相手本陣の攻略を競い合います。

esportsの代名詞と称されるゲームで、世界各地でプロリーグが開催されています。毎年行われるEsportsの世界的祭典「League of Legends WorldChampionship(WCS)」では視聴者数9,960 万人を記録。多彩なキャラクターや映像、音楽などの評価も高く、コスプレやファンアートといったコミュニティ活動も数多くで行われています。

LoL大会紹介

出典:LJL公式サイト

LJL(日本リーグ)

「League of Legends Japan League(LJL)」は、PC オンラインゲーム「League of Legends」の日本公式プロリーグです。

LJL 2020 Spring Splitは、全8チームによるレギュラーシーズンを2020年2月8日(土)~3月8日(土)に開催。対戦形式は「Bo1」(Best of 1・1試合を先取したチームの勝利)、「ダブルラウンドロビン」(全チームによる総当たりを2回実施)です。

その後、実施されるレギュラーシーズン上位6チームによるPlayoffsによって優勝したチームは、LoL世界大会(MSI 2020)に日本代表として出場することができます。

Worlds(世界大会)

LJL 2020 Spring SplitとSummer Split、それぞれの優勝チームはLoL 世界大会「Mid-Season Invitational(MSI)」と「World Championship(WCS) 」に日本代表チームとして参加することができます。

大会出場チーム紹介

DetonatioN FocusMe

DetonatioN FocusMe

出典:DetonatioN Gaming公式サイト 

LJL 2018 Summer Split以来、LJLの3期連覇を続けるDetonatioN FocusMe(DFM)。7期連続のレギュラーシーズン1位通過という圧倒的な強さで、LJLの絶対王者としての地位を確立しています。

世界大会であるWorlds 2018でもLJLチームとして初となるプレイインノックアウトステージへ進出し、MSI 2019ではLJLチームの最高記録となる4勝2敗という戦績を残しました。2020年は新たにOnAir監督を迎え、LJL4連覇をめざします。

Sengoku Gaming

Sengoku Gaming

出典:Sengoku Gaming公式サイト

今シーズンは、昨シーズンの6位低迷を受け、JGのBlank選手を中心としたチームに再構築が行われた。新加入のapaMen・Yutorimoyashi・Entyの各日本人選手は、王者DFMメンバーと負けず劣らずの好選手であることに加え、Midには元SKT Pirean選手を獲得。Blank選手とあわせて、まさに「Japanese SKT」のドリームチームとなりました。

打倒DFMの最右翼として、ファンからの期待も非常に高い中、レギュラーシーズンは2位と好成績。プレイオフ・Round2でDFMを破り、サイド選択権を持って決勝に臨みます。

ALIENWARE BEST PLAY AWARD結果・総評

「ALIENWARE BEST PLAY AWARD」はCGA Aria選手に

LJL決勝の開催に先立ち、レギュラーシーズンで優れたプレイを見せた選手に贈られる「ALIENWARE BEST PLAY AWARD」の授賞発表が行われ、5選手が選出されました。1位に輝いたのはCGA Aria選手。ルブランを巧みに使用したプレイがTwitter上で多くの投票を集め、初の受賞となりました。

その他の結果は以下の通り。
「ALIENWARE BEST PLAY AWARD
・1位 Aria選手(CGA・Mid ルブラン)
・2位 Steal選手(DFM・JG ジャーバンIV)
・3位 Evi選手(DFM・Top セト)
・4位 Gaeng選手(DFM・Sup ラカン)
・5位 Gango選手(CGA・ADC カリスタ)

今シーズン決勝は誰も読めない大熱戦に

6チームによるプレイオフを勝ち抜き、決勝に駒を進めたのはDFMとSGの2チーム。レギュラーシーズンでは1勝1敗、プレイオフではゲームスコア3-2の大熱戦を演じるなど、互角の戦いを見せた両チームの対決に高い注目が集まりました。

今シーズン決勝は誰も読めない大熱戦に

SGが意地を見せるも、DFMが4連覇達成

Game1は、互いに相手の出方を伺うスローペースなゲームになります。Yutapon選手のアフェリオス、Ceros選手のハイマーディンガーと得意チャンピオンを抑えたDFMが、試合時間が進むと共に有利をじわじわと広げ、集団戦で一気に勝利。

一転、Game2はGaeng選手のブリッツクランクが要所でゲームに大きな影響を与え、序盤からキルが激しく起こる展開に。DFMが複数のキルトレードで少しづつ有利を広げます。SG側も集団戦でキルを返していくものの、DFMがマップの支配を譲らず、優勝へ王手となる2勝目をあげます。

Game3:優勝まであと1勝

このシリーズ最大の熱戦となったのが、この第3試合。

後がないSGは、ここまでの2戦で大きな影響力を持っていたYutapon選手・Gaeng選手のBOTレーンを破壊する戦術を選択。Blank選手の徹底的なガンクに加え、TopのapaMEN選手がTPを使用してキルを取るなど、DFMのBOTレーンを完全に崩壊させ、キルスコア9-0・6000ゴールド差と大きな有利を作ります。しかし強気なプレイが裏目に出たのか、DFM陣地まで攻めこんだものの、逆にキルを返され、試合はほぼイーブンに。

一進一退の攻防を続ける両チームでしたが、試合終盤、DFMが奇策に打って出ました。SG側がドラゴンの争奪戦に備えてドラゴンピット前に位置を取る中、Ceros選手・Evi選手は敵陣ネクサスに攻撃を仕掛ける「バックドア」での勝利を狙ったプレイを行います。ネクサスタワーを破壊、ネクサス破壊まであと1発まで迫ったものの、SGが渾身のプレイをみせ、何とかネクサスを死守。そのままゲームに勝利して、ゲームスコア1-2に持ち込みます。

優勝まであと1勝

※DFM Ceros選手とEvi選手がネクサスへ攻め込むも、あと1発足らず。ネクサスを守り抜いたSGが接戦を制する。

【Game3 VoD】

続くGame4、SG側はここまでの構成を変えることなく自信をもってゲームに臨みます。一方のDFMはJGにパンテオン、BOTにはセナ&タムケンチとここまで見せてこなかった構成を選択。

【Game4 B/P】

【Game4 B/P】

DFMが随所で、パンテオンを用いた連携力の高いプレイをみせ、オブジェクトを次々に獲得。ゲーム序盤から大きな差をつけて勝利し、ゲームスコア3-1で「LJL 2020 Spring Split」4連覇を飾りました。SGは、4戦続けてADCにMFをピック、BOTレーンにリソースを割く戦術を取ったものの、試合中盤以降からADCが機能する展開を作れず。念願の初優勝を果たすことはできませんでした。

なお、LJL優勝チームが出場予定だった、LoL春季国際大会「Mid Season Invitational(MSI)」は新型コロナウイルスの影響により開催中止が発表されています。来シーズンとなる「LJL 2020 Summer Split」は6月13日(土)開幕予定。

LJL 2020 Summer Split」は6月13日(土)開幕予定

LJL公式サイトhttps://watch.lolesports.com/

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